理事長挨拶
GREETING

日本IgG4関連疾患学会理事長を拝命いたしました、産業医科大学医学部第1内科学講座の中山田真吾です。
IgG4関連疾患は我が国で発見され、その全身性疾患としての概念が世界に先駆けて日本から確立された疾患です。これまで本学会は、多領域にわたる専門家の先生方の協力のもと、臨床と研究の両面で国際的に大きな役割を果たしてまいりました。前身となるIgG4研究会の活動から始まり、世界初の診断基準や臓器別診断基準の策定、モノグラフや国際的出版物の刊行など、疾患概念の普及と啓発に多大な貢献をしてきたことは周知のとおりです。
このたび、初代理事長として本学会を力強く牽引されてきた金沢医科大学の川野充弘先生より、その重責を引き継ぐこととなりました。川野先生が築かれた揺るぎない基盤と、学会員の皆様のご尽力に深く敬意を表するとともに、その伝統をしっかりと受け継ぎ、さらなる発展につなげていきたいと考えております。
現在、IgG4関連疾患の治療は依然として副作用の多いグルココルチコイドに依存しており、患者さんの長期予後やQOL改善には多くの課題が残されています。これらを克服するためには、基礎研究と臨床研究の双方向的連携をさらに推進し、新たな治療戦略の確立に向けて取り組むことが不可欠です。また、学会活動の透明性と活性化を図り、本領域に関わる若手人材の育成を強く推進していくことも重要な使命と考えております。
本疾患の未来に向けて未解決の課題に挑み、患者さんに真に還元できる成果を創出する学会となるよう、会員の皆様と力を合わせて精進してまいります。何卒ご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
理事長 中山田 真吾