理事長挨拶
GREETING
日本IgG4関連疾患学会の初代理事長を拝命しました金沢医科大学の川野です。
IgG4関連疾患は、我が国で発見され、世界に先駆けて日本で全身疾患としての全体像が明らかにされた疾患です。
疾患概念が確立されるまでは、自己免疫性膵炎、ミクリッツ病、後腹膜線維症等の臓器別の疾患名で、それぞれの臓器の専門家により、一つの全身性疾患と認識されることなく診療が行われてきました。
前身となるIgG4研究会は、2007年の発足以来、2019年で12回目を迎え、眼科、歯科口腔外科、耳鼻咽喉科、消化器内科、リウマチ・膠原病内科、呼吸器内科、代謝内分泌内科、腎臓内科、循環器内科、脳神経内科、皮膚科、放射線科、病理科、基礎医学など関連するご専門の先生方の素晴らしいチームワークのもと、国内のみならず世界のIgG4関連疾患の臨床と研究の発展に寄与してまいりました。
また、平成21年から発足した厚生労働省難治性疾患克服研究事業研究班と密に連携を取り、2012年の世界初の診断基準の作成や、臓器別診断基準の作成に大きく貢献してまいりました。
さらに、2010年に「IgG4関連疾患への誘い —IgG4研究会モノグラフ—」を出版したのを皮切りに、2012年には「IgG4関連疾患アトラス —IgG4研究会モノグラフ—」、2015年には「IgG4関連疾患 実践的臨床から病因へ —IgG4研究会モノグラフ—」を上梓し、IgG4関連疾患の疾患概念の普及と啓蒙に努めてきました。2014年には、世界に向けて発信するため、Springer Japan社より「IgG4-Related Disease」を出版しました。
本学会は、この伝統を継承し、さらに、未来に向かって多くの未解決の問題一つ一つに取り組み、原因の解明や副腎皮質ステロイドにかわる治療法の確立など、患者様に還元できる成果を目指した学会となるよう、学会員全員の協力のもと、精進して行きたいと考えております。
ご支援とご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。
理事長 川野 充弘