総会詳細

GENERAL MEETING

IgG4研究会の歩み 第1回IgG4研究会

開催日 2007/3/3
会場 山中温泉、石川
会長 川野充弘

第一回IgG4研究会 防衛医大膠原病アレルギー内科 高田邦夫

記入日2019/11/05

2007年3月、代表世話人である金沢大学医学部リウマチ膠原病内科川野先生のお招きをいただき、今回初めて開催される「IgG4研究会」に参加させていただきました。場所は山中温泉という風光明媚で落ち着いた場所で、「のんびりと温泉でもつかりながら、IgG4について討議いたしましょう」という趣旨での開催です。

ところで「IgG4なるものこれは何ものぞ」という疑問でありますが、IgG4とは、免疫グロブリンIgGのサブクラスの一つです。しかしながら、この研究会で取り扱う「IgG4」とは、IgG4が血清中で高値を示し、IgG4陽性形質細胞やリンパ球が膵臓、涙腺、唾液腺、後腹膜、腎臓などに浸潤し、臓器の腫大や炎症や組織の線維化を来たす全身性疾患として近年注目されている「IgG4関連疾患」についてであります。
開催される旅館に到着すると、「歓迎、IgG4愛好会御一行様」となる看板がありました。何も知らない他の宿泊客が見ると、いささか何かのマニアの会合かと勘違いされそうな看板でありますが、マニアという点では間違いはない。とりあえず案内された部屋へ伺うと、眼科の先生が先に到着されており、「とりあえず、お酒でも買いに温泉街でも散歩しましょう」と温泉街を散策しました。
筆者の専門は膠原病内科でありますが、今回、お集まりになられた諸先生方の専門は、膠原病内科他、消化器内科、呼吸器内科、血液内科、眼科、泌尿器科、病理部等、多岐に渡ります。そもそもIgG4関連疾患は、先ほど述べた通り多臓器に渡るため、取り扱う専門科が多岐に渡ります。しかしながら、今までの研究会等の会合は、同じ専門科が集まって討議することがほとんどで、このように多くの専門科が集まることはめずらしいと言えます。
あくまでも手製の研究会なので、特に形式的なものはさておき、和気あいあいとした雰囲気のもと終了しました。そして、温泉、代表世話人お知り合いの方の手品ショーを見ながらの食事会をたしなみ、夜は一室に集まり、IgG4関連疾患について、それぞれの意見を交換し、議論が深まりました。
執筆した2010年現在、IgG4関連疾患は、今もなお謎が多い疾患であります。今後も多くの専門科を越えた情報を交換し、診断、治療等の発展を祈念できればと思います。

(「IgG4関連疾患への誘い —IgG4研究会モノグラフ—」2010年3月13日発行 前田書店より転載許可取得済)

一覧に戻る